6月の星空




アルクトゥールス を見送る

夜空に秋の星座が登場するころ、春の星座は西へと沈む
左の杉の木立に消えようとしているのは、うしかい座の1等星 アルクトゥールス。少し赤味を帯びた星色だから、すぐに気づく

アルクトゥールスは春の大曲線をたどって見つける
北斗七星が西天へ傾き、東天にカシオペヤ座が登場するころ、アルクトゥールスは星空に別れを告げる

思えば金生山ヒメボタル観察では、夏の大三角の登場に先だって天頂に輝いたのがアルクトゥールスだった。これでしばらくの見納め

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20mm、ISO1000、f2.0、45秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、サイトロン スターエンハンサー、揖斐谷
SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G

2025年06月30日23時12分






梅雨の晴れ間に 秋の天の川を望む




梅雨の晴れ間に 秋の天の川を望む

ずっと雲が主役の星空が続いた。このまま6月を終わるんだろうな、と諦めかけていたら突然に梅雨の晴れ間が広がった
湿度の多い夜で、外に出ていても少しも涼しくない。クーラーのない生活を20年続けていても、暑さには全く慣れない。梅雨明け前ということなので当然ではあるが、空気は淀んでそこに街明かりを反射して夜空全体が淡く光をもっているように感じる

東天から天頂にかけて天の川が伸びる
写野の右上には いるか座。天の川の中央には夏の天の川のまっただ中を飛ぶ はくちょう座。雲が少ない分、肉眼では識別できない北アメリカ星雲も赤く輝いていることが分かる

東の山稜まで天の川を下ると秋の訪れを告げる カシオペヤ座。秋の星座である
カシオペヤ座から右にたどると、山稜から青白い星が顔を出している。2.07等のアルフェラッツだ。この星はペガススの四辺形を構成する星の1つだが、現在ではアンドロメダ座のα星とされている。かつてはペガスス座にも所属していたため、アルフェラッツの境界と呼ばれた

アルフェラッツから上に目をやると、赤い2等星に気づく。ペガスス座のシェアトで明るさは2.44等。シェアトの右下の青白い2等星はペガスス座のマルカブで2.43等。まもなくペガススの四辺形がすべて顔を出す

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20mm、ISO1000、f2.0、43秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、サイトロン スターエンハンサー、揖斐谷
SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G

2025年06月30日23時06分








雲が多い星空に 秋の天の川を望む

雲が星空を隠す。梅雨が明けていないのだから当然といえば当然。むしろ梅雨のさなかの新月期に少しでも星空が眺められただけでも天候に感謝しなければならない

写真の下方を横切る緑色の輝線はゲンジボタルの光跡。揖斐谷ではまだゲンジボタルの季節が続いている
写野のぼ中央、雲の上に北極星が顔を出している。その左上にはこぐま座。雲が多い中を天の川が立ち上がっている。先頭に輝くのははくちょう座の1等星デネブ。夏の大三角を構成する1等星の1つで夏の季節を代表する星。よく見るとすぐ近くには北アメリカ星雲も、なにげに見える

天の川を下方にたどると、カシオペヤ座が見つかる。雲に隠れながらではあるが、秋の星空を代表する星座
季節は巡り、星空の世界は夏から秋へと確実にかわろうとしている

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20mm、ISO1000、f2.0、45秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、サイトロン スターエンハンサー、揖斐谷
SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G

2025年06月27日23時11分










梅雨の晴れ間に 月(Moon) と 水星(Mercury) が大接近

雲が多いながらも、梅雨の晴れ間となったこの日。夕方の西北西の低空で月齢2の細い月と水星が大接近した
月の高度は9.05°と低いが、その下には光度0.2等の水星が輝いている。水星の高度は6.67°とさらに低いが、7月4日に東方最大離角を控えているだけに、水星としては見やすい方だろう

この日は午後になっても雲がとれなかった。天頂から東天は少しずつ青空が広がってきたが、西天は雲がたなびいている。何もこんな日に限って、しかも西天だけ雲が出なくてもいいのに、と文句の1つも言いたくなる。しかし、東海地方の梅雨明けはまだ発表前。ダメ元とはこのことだろう

月の下、月の下、と呪文のようにこころの中で繰り返していたら、切れ間から水星が顔を出した
こんなこともあるんだと、急いで三脚を立ててシャッターを切る
本当は水星のすぐ右にふたご座のカストルとポルックスがあるはずだが、どう見ても雲のまっただ中だった


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85mm、ISO400、f1.4、0.8秒、マニュアルWB、Raw
高感度NRはoff、長秒時NRはon、三脚で固定撮影、美濃平野部
SONY α7M4 + FE 85mm F1.4 GM Ⅱ

2025年06月27日20時13分